その仕入れ業者で利益は出る?飲食店の仕入れ業者の選び方基準と「担当者との相性」を経営判断に変える方法

飲食店の仕入れ業者の選び方基準を7項目で整理し、担当者の相性と提案力を点数化して経営判断に変える方法を解説。比較は3社まで、試用と採点の手順も紹介します。

「今の酒屋さん、悪い人じゃないんです。でも、なんだか噛み合わないんです。」

打ち合わせの席で、店主さんがそう言って小さく笑い、すぐに視線を落とした場面を、私たちは何度も見てきました。

仕入れは毎日の積み重ねです。だからこそ、担当者との小さな違和感が、発注の手間や不安となって静かに効いてきます。価格や配送条件は表で比べられても、相性は感覚に見えて「ここまで重視していいのか」と迷ってしまいますよね。

私たちが現場で感じるのは、相性の正体は好き嫌いではなく「運用の噛み合い」だということです。

たとえば訪問時、こちらが客層や看板料理、忙しい時間帯を丁寧に聞くと、店主さんが「そうそう、それが困っていたんです」と言葉を取り戻す瞬間があります。逆に、商品名だけが並ぶ提案だと、会話がそこで止まってしまいます。

ここでは、飲食店の仕入れ業者の選び方基準を土台に、相性を経営判断できる評価基準へ置き換える考え方を整理します。

相性は重視して良いです。ただし、提案の具体性、欠品時の代替の速さ、連絡のテンポなどを点数化し、短い試用期間で確かめれば、迷いは判断に変わります。

目次

飲食店の仕入れ業者の選び方基準は「7項目」に分解すると迷いが消えます

仕入れ業者を選ぶとき、最初から「相性が合う・合わない」で考え始めると、判断がぶれてしまいます。

私たちが日々、飲食店さまと打ち合わせを重ねる中で実感しているのは、基準を7項目に分解した瞬間に、迷いが一気に整理されるということです。感覚で悩む前に、まずは土台を固めます。

  • 価格(原価に効きます):単価だけでなく、ロット・割戻し・代替提案で原価がどう動くかまで見ます。
  • 品質(満足度に効きます):味や香りだけでなく、提供のしやすさやクレームの起きにくさも含めて判断します。
  • 配送条件(オペレーションに効きます):納品時間の融通、急な追加の動き、発注締めのわかりやすさが現場の疲れを左右します。
  • 支払い条件(資金繰りに効きます):締め日・支払日だけでなく、請求の明瞭さや照合のしやすさも重要です。
  • 安定供給(欠品リスクに効きます):欠品そのものより、欠品時に「次の一手」が出るかが差になります。
  • トラブル対応(炎上リスクに効きます):ミスはゼロにできません。起きた後の説明・回収・代替・再発防止が信頼を作ります。
  • 担当者の提案力(売上づくりに効きます):商品紹介ではなく、料理と客層に落ちる提案が出るかどうかです。

そして、ここで大切なのは、「相性=好き嫌い」ではないということです。相性の正体は多くの場合、次の3つに分解できます。

  • テンポ:返信が速い/遅い、要点をつかむ、確認が丁寧
  • 価値観:価格重視か、体験価値重視か、攻めたいのか守りたいのか
  • 進め方:先回り型か、指示待ち型か、記録を残すか、共有が上手いか

私たちの訪問先でも、同じ銘柄を並べても店によって響き方が違います。だからこそ、担当者が店の意図をくみ取り、言葉をそろえ、次の打ち手まで一緒に組み立てられるかが重要になります。

つまり相性は、運用の相性=利益に直結する相性として、きちんと評価してよい基準なのです。

担当者との相性はどれくらい重視していいのか?結論:利益の作り方でウェイトが変わります

担当者との相性をどこまで重視していいか迷うときは、先に「うちの店は、利益をどこで作っているか」を言語化すると判断がブレません。

結論から言うと、値引きで利益を作る店ほど、担当者の重要度は下がりやすいです。一方で、客単価・回転・リピートで利益を作る店ほど、担当者の重要度は上がります

私たちが打ち合わせでよく見るのは、同じ仕入れ条件でも、担当者の動きひとつで“利益の作り方”が変わる瞬間です。

たとえば、単に新商品を紹介するのではなく、「この一杯は、最初の一口で香りが立つので、看板料理の前に出すと注文が途切れにくいです」と売り場の景色まで一緒に描ける担当者がいると、店主さんの目がふっと上がります。

そこからメニューに“売れる言葉”が宿り、結果として客単価が上がっていきます。

担当者の提案力は、「仕入れ価格を下げる」以上に、次の形で利益に効いてきます。

  • メニューが“売れる言葉”になる(おすすめ理由が立ち、スタッフも説明しやすくなります)
  • 売れ筋に寄せられる(動く商品が見え、在庫ロスが減ります)
  • 繁忙期の欠品が減る(先読みで代替案が用意され、提供が止まりません)
  • 季節の仕掛けが続く(提案が継続し、マンネリが薄れていきます)

もちろん、「価格」「配送」は最低限の土台です。ここが崩れていると、提案以前に現場が疲れてしまいます。

ただ、土台が整ったあとに伸びるのは、担当者の相性と提案力です。相性は感覚に見えて、実は「利益を作るための共同作業が成立するか」を測る指標です。

だからこそ、店の利益の作り方に合わせて、相性のウェイトを上げて良いのです。

【迷わない比較表】飲食店の仕入れ業者を比べる配点テンプレ(最大3社まで)

仕入れ業者を比較するとき、候補が増えるほど「結局どこも決め手がない…」となりやすいです。

私たちが訪問の打ち合わせでおすすめしているのは、比較は最大3社までに絞り、同じ条件で100点満点の配点に落とし込むやり方です。感覚が整理され、店内での意思決定も早くなります。

配点テンプレ(合計100点)

評価項目配点見るポイント(要点)
価格20主力商品の単価だけでなく、ロット・割引条件・代替時の価格帯まで
品質15味・香りに加え、提供の安定性、クレームになりにくさ
配送条件15納品時間の融通、追加対応、発注締めの分かりやすさ
支払い条件10締め日・支払日、請求書の明瞭さ、照合作業のしやすさ
安定供給10欠品の少なさだけでなく、欠品時の代替提案の速さ
トラブル対応10ミス発生時の説明、回収、再発防止の動きの早さ
担当者の提案力20メニューに落ちる提案、先読み、店の意図をくむ力

なぜ「最大3社まで」なのか(現場の実感です)

候補が4社、5社と増えると、比較軸がぶれて「細部の優劣」ばかりに意識が取られます。

打ち合わせでも、最後は「なんとなく」で決めてしまいがちです。3社までなら、数字と感覚を両立したまま結論にたどり着けます。

ここが一番のポイントです:提案力20点は“雰囲気”で付けない

担当者が感じ良い、話しやすい、だけで高得点にしてしまうと、後からズレが出ます。

私たちも訪問時に、店主さんが「人はいいんだけど、相談しても進まないんだよね」と肩を落とす場面を見てきました。

だからこそ、この20点は次章で行動に分解して点数化します。すると相性は「好き嫌い」ではなく、運用の噛み合い=利益に直結する評価として、ぶれずに判断できるようになります。

飲食店の仕入れ業者選びで差がつく「デキる担当者」の見極め方(提案力を点数化します)

提案力がある担当者は、話がうまい人ではありません。店の売上が上がり、現場がラクになる提案を「続けて」出せる人です。

私たちも訪問の時、最初は「紹介だけされても、正直ピンと来ないんです」と慎重だった店主さんが、提案の“型”に触れた瞬間に表情を変える場面を何度も見てきました。だからこそ、提案力は雰囲気ではなく、行動で評価するのがいちばん確実です。

ここでは提案力20点を、次の5項目(各4点)に分解します。

1)ヒアリングが具体的(4点)

  • 客層、客単価、ドリンク比率、回転、看板料理を聞けています。
  • 「どんなお客様に、どんな気持ちで帰ってほしいか」まで掘れています。
  • 欠品・在庫・発注頻度などの困りごとを言語化できています。

合格ライン:会話の最後に店主さんが「うちの店、今こういう状態なんですね」と整理できています。
私たちの経験では、ここができる担当者ほど、次の提案が“刺さる順番”で出てきます。

2)提案が「商品」ではなく「メニュー」になっている(4点)

  • 「このお酒どうですか」ではなく、どの料理に、どう売るかまでセットです。
  • 原価率の話だけで終わらず、売価の設計(1杯いくらで出すか)まで話が出ます。

合格ライン:メモがそのままメニュー会議に持ち込めます。
打ち合わせで「それならスタッフが説明できます」と言葉が出たら、かなり高得点です。

3)代替案が速い(欠品・終売に強い)(4点)

  • 同価格帯、同香味、同用途で代替を出せます。
  • 代替で利益が崩れないように、原価率の目安も添えられます。

合格ライン:欠品連絡が“謝罪だけ”で終わらず、「次はこれで回せます」と一手先が出ます。
繁忙期にここが弱いと、店主さんの心がいちばん削れます。

4)季節・イベントの先読みがある(4点)

  • 花見、GW、夏、忘年会など、需要の波を前に共有できます。
  • 限定品・新商品を「入れる理由」とセットで提案できます。

合格ライン:「来月の売り場、これでいけますね」と先に手応えが出ます。
先読みがある担当者は、店の準備時間を増やし、焦りを減らします。

5)やり取りがラク(4点)

  • 返信が早く、要点が整理され、確認が丁寧です。
  • ミスが起きても、リカバリーが早いです。

合格ライン:発注や相談のたびに心がすり減りません。
「連絡するのが億劫じゃない」は、立派な経営メリットです。

目安(判断のしきい値)

提案力が14点未満だと、長期的に「メニューが止まる」「相談しなくなる」リスクが高いです。逆に16点以上なら、仕入れが“守り”から“攻め”に変わりやすいです。

相性は感覚に見えますが、こうして点数にすると、店主さんの迷いがすっと薄れることが多いです。

営業訪問の現場で、相性が利益に変わった3つの打ち合わせ事例

ここからは、私たちが実際に訪問・打ち合わせの場で見てきた話です。数字や固有名詞は控えますが、空気感はできるだけそのまま書きます。

事例1:開業前のカウンター店で「最初の定番」を一緒に決めた話です

開業前は、店主さんの目が少し泳ぎます。メニュー、席数、導線、スタッフ採用。決めることが多すぎて、頭の中が渋滞してしまうのは当たり前です。

だから私たちが最初にするのは、「何を扱うか」を決める前に、“どういう店にしたいか”を丁寧に聞くことです。

打ち合わせで、店主さんがぽつりと言いました。
「最初は背伸びしないで、でも、ちゃんと“この店っぽい”酒を置きたいんです。」

その言葉を受けたとき、私たちは銘柄の羅列はしません。まず、訪問の席で一緒に紙に書き出します。

  • 料理の芯は何か
  • お客様は誰か
  • 1杯目に何を出すと空気が整うか
  • 2杯目以降でどう遊ぶか

ここを整理すると、店主さんの表情が少し明るくなる瞬間があります。「これなら決められそうです」と、肩の力が抜けるのです。

そして次に、定番の考え方を“店の設計”として整えます。たとえば、1杯目は迷わせない安心感、2杯目は会話が弾む香りや余韻、3杯目は「また来たい」を残す締め方。

そんなふうに順番を作ると、仕入れがただの買い物ではなく、お店の世界観を支える仕組みになります。

相性が良い担当者は、気分よく話せる人ではありません。不安を分解して、決められる形に整え、最初の一歩を一緒に踏み出せる人です。開業前のあの時期に、その伴走があるかどうかで、オープン後の現場の余裕が変わってきます。

事例2:仕入れ見直しで、メニュー提案が止まっていた店が動き出した話です

ある日、打ち合わせで店主さんがぽつりと言いました。「仕入れ先は長いんです。でも、相談しなくなっちゃって…。」

この「相談しなくなる」は、私たちが現場で何度も見てきた相性のサインです。

価格や配送に大きな不満がなくても、提案が止まると店のメニューは少しずつ色あせます。気づけば季節の一杯が作れない。おすすめが言えない。スタッフも説明に自信が持てない。

結果として客単価が伸びにくくなります。これは店主さんの努力不足ではありません。相談が成立しない関係性が、静かに店を削っていくのです。

私たちは、仕入れ見直しの相談を受けると、まず商品名の話に入りません。

打ち合わせで必ず聞くのは「今月いちばん困った瞬間はいつでしたか」です。すると返ってくる答えは、だいたい同じ方向を指します。

「忙しい日に限って、欠品が怖いんです。」

ここで提案力のある担当者は、いきなり新商品を持ち込みません。先に出すのは、運用の提案です。

  • 定番を絞って欠品を減らす(よく動く型を固めます)
  • 発注頻度を整理してミスを減らす(締め時間と発注の癖を合わせます)
  • 代替の“優先順位”を決めておく(欠品時に迷わない仕組みを作ります)

私たちの経験上、仕入れは「商品」よりも先に「運用」で安定します。ここが整うと、店主さんの表情が変わります

「それなら回せますね」と言葉が出て、肩の力が抜けるのです。そして土台が固まったところに、季節の提案が乗ると、メニューがまた動き始めます。現場が落ち着き、相談が戻り、結果として店はきちんと前に進みます。

そこで私たちは、打ち合わせの席で「相性」を感情の話で終わらせないために、提案力20点の内訳を一緒に採点しました。紙を一枚出して、項目を並べます。

  • ヒアリングは何点か
  • 代替案の速さはどうか
  • 季節や繁忙期の先読みはあるか
  • 提案はメニューに落ちているか
  • やり取りはラクか

点数を付けるとき、私たちは「どっちが正しいか」ではなく、「店の運用に合っているか」を軸にします。店主さんが口にしたのは、意外にもホッとした声でした。

「嫌いとかじゃなくて、仕入れが前に進まない理由が分かった気がします。」

この瞬間、相性は“気まずい感情の問題”から、“経営の判断材料”に変わります。

言葉にできなかった違和感が、数字として机の上に置かれると、責める必要がなくなるのです。胸のつかえが少しだけ取れて、「じゃあ次は、ここを改善できる相手を探そう」と前を向けます。私たちは、その一歩が踏み出せた店主さんの背中を、何度も見送ってきました。

事例3:「相性が不安」を、私たちと他社を並べて点数化したら、相談の方向が見えた話です

「相性って、言いづらいじゃないですか。」

そう言って店主さんは少し笑いました。けれど、その笑いの奥に「本当は困っている」が隠れていることを、私たちは何度も見てきました。

言いづらいことほど、現場にとって大事です。仕入れは毎日続きます。違和感を飲み込むほど、じわじわと負担が積もっていきます。

そこで私たちは、感情の話で終わらせないために、今の仕入れ先(他社)と私たち(亀屋矢崎商店)を並べて、同じ基準で一緒に採点してもらいました。紙を一枚出して、提案力20点の内訳をそのまま使います。

  • ヒアリングは何点か(店の状況を言語化できているか)
  • 代替案の速さはどうか(欠品時に次の一手が出るか)
  • 季節や繁忙期の先読みはあるか(前倒しで提案が来るか)
  • 提案はメニューに落ちているか(料理と売り方まで出るか)
  • やり取りはラクか(確認が丁寧で、ミスが減るか)

採点の途中で、私たちも正直に伝えました。

私たちも完璧ではありません。店の状況によっては、最適解がすぐに出ないこともありますし、提案が空回りすることだってあります。

だからこそ、点数を付ける目的は「勝ち負け」ではなく、店の運用に合うかどうかを、店主さん自身が判断できる形にすることです。

採点が終わると、店主さんが少し驚いた顔で言いました。
「嫌いとかじゃなくて、仕入れが前に進まない理由が分かりました。あと、亀屋さんにも“ここは最初にお願いしたい”が見えました。」

他社は価格や配送の土台は強い一方で、欠品時の代替や季節の先読みが弱い。私たちは提案の組み立ては得意だけれど、最初は店の運用を理解するために、発注の癖やピーク帯を一緒に整える期間が必要になる。

そうやって差分が見えた瞬間、店主さんの表情がふっとやわらぎました。

「じゃあ、全部を一気に変えるんじゃなくて、まずは1カテゴリだけ試して、点数が上がるか見てみたいです。」

この一言が出たとき、相性は“気まずい感情の問題”から、“現実的な経営の判断材料”に変わります。私たちはその場で、試すカテゴリの決め方と、2週間〜1か月で確認するポイントを一緒に整理しました。

そして最後に店主さんが言ったのは、背伸びのない、でも前向きな言葉でした。
「相談してよかったです。完璧を求めてるんじゃなくて、ちゃんと前に進める相手が欲しかったんだと思います。」

私たちは、そんな相談のされ方がいちばん嬉しいです。完璧ではないからこそ、打ち合わせの席で一緒に整えて、少しずつ点数を上げていきます。

仕入れ業者選びで失敗しないための手順です(比較→試用→決定)

仕入れ先の見直しは、急ぐほど失敗しやすいです。

私たちが現場の打ち合わせでお伝えしているのは、「焦らない手順が、結果的に一番早い」ということです。ここでは、失敗しにくい順番を3ステップでまとめます。

手順1:比較は3社までに絞ります(条件をそろえるのが先です)

候補を増やすほど、比較軸がぶれて決められなくなります。だからこそ、比較は最大3社までがちょうど良いです。
そして、条件を揃えない比較は必ず迷います。最低限、次の3つは同じ条件で並べます。

  • 配送回数(週に何回、時間指定の可否)
  • 支払い条件(締め日・支払日・請求の分かりやすさ)
  • 主力アイテムの見積もり(店の定番で比較します)

ここが揃うと、価格や条件の“見かけの差”に振り回されにくくなります。

手順2:最初は「1カテゴリだけ」試します(全替えは現場が荒れます)

いきなり全替えをすると、発注ルールも納品の流れも一度に変わり、現場が荒れやすいです。まずは小さく始めます。

  • ビールだけ
  • 日本酒だけ
  • ウイスキーだけ

この1カテゴリ試用にすると、担当者の動きも見えますし、店側の負担も最小で済みます。

手順3:2週間〜1か月で採点します(短すぎず、長すぎずが大事です)

短すぎると運用が見えません。長すぎるとズルズルして、結局判断が曖昧になります。目安は2週間〜1か月です。評価の中心は、次の3点に絞るとブレません。

  • 欠品時の動き(代替案が速いか、次の一手が出るか)
  • 返信のテンポ(要点が整理され、確認が丁寧か)
  • 提案がメニューに落ちるか(料理と売り方まで出るか)

この3点は、日々のストレスと利益の両方に直結します。点数を付けて見える化すると、相性は感覚ではなく「運用の相性」として判断できるようになります。

価格交渉で悩んだら「値下げ」より先に、条件の組み替えが効きます

仕入れの話は、最後に必ず価格の話に戻ります。胃がきゅっとしますよね。値下げをお願いする側も、される側も、どこか気まずさが残ります。

ただ、私たちが現場の打ち合わせで実感しているのは、価格は“お願い”では動きにくく、条件の組み替えで動きやすいということです。交渉は、感情ではなく設計に寄せたほうが、双方が前向きになれます。

たとえば、訪問の席で店主さんに「何を下げたいか」ではなく、「何を安定させたいか」を聞きます。

すると多くの場合、答えは原価そのものよりも、発注の手間や欠品の不安、在庫のブレにあります。そこを整理すると、価格の話が“戦い”ではなく“改善”になります。

条件の組み替えの例は、次の3つが特に効きます。

  • 発注をまとめる
    こまめな小口発注は便利ですが、業者側の手間も増えます。一定のまとまりが作れると、交渉の余地が生まれやすいです。
  • 定番を絞る
    よく動く商品を絞ると、欠品リスクも下がり、仕入れも安定します。結果として双方にメリットが出やすくなります。
  • 納品回数の相談をする
    納品が多いほど安心ですが、その分コストもかかります。店のピーク帯や在庫スペースに合わせて回数を見直すと、現実的な落としどころが作れます。

こうした現実的な整理があると、「とにかく安くして」ではなく、「こう変えるので、この条件でどうですか」という話になります。

店側も業者側も納得しやすく、結果として長く続く取引につながります。私たちも完璧ではありませんが、打ち合わせの場で一緒に条件を整理し、店の運用に無理のない形で交渉の筋道を作ることを大切にしています。

価格交渉の言い方や準備の型は、社内でもよく共有しているため、同じ悩みをお持ちなら次も読むと早いです。

あわせて読みたい
酒屋の営業がこっそり伝授!酒屋との仕入れ価格交渉術|Win-Winを作る「言い方」と3つの準備 酒屋さんに価格交渉したいのに、いざとなると喉の奥で言葉が止まってしまうことがありませんか? 「次の配達が気まずくなったらどうしよう」と考えるほど、伝票の数字が...

私たち亀屋矢崎商店が大切にしている「強み」は、仕入れを“納品”で終わらせないことです

私たちは1961年開業以来、酒類・食品を扱い、東京都・埼玉県・神奈川県(一部地域を除く)の業務店さまへ自社便配送を行ってきました。

瓶ビール・樽詰生ビール・日本酒・焼酎はもちろん、ウイスキーやシャンパン、リキュールなどの洋酒も幅広く取り揃えています。カタログやサイトに載っていない商品も含め、店のコンセプトに合わせて探し、提案できることが私たちの土台です。

そして一番お伝えしたいのは、私たちは「商品を届けて終わり」ではなく、打ち合わせで“店の勝ち筋”を一緒に整えることを仕事の中心に置いていることです。

実際、訪問の席で店主さんが「うちは何を推せばいいか、だんだん分からなくなってきたんです」とこぼされたとき、私たちはいきなり銘柄を並べません。客層、看板料理、忙しい時間帯、ドリンクの動き方を順番にほどき、まず“売れる形”を作ります。

  • 1杯目の定番を決めます(迷わせない入口を作ります)
  • 2杯目以降の遊び方を作ります(会話が続く提案にします)
  • 欠品と在庫の不安を減らします(代替の優先順位まで整えます)
  • 季節の仕掛けを続けます(提案が途切れない運用にします)

もちろん、私たちも完璧ではありません。店の状況によっては提案が空回りしそうになることもありますし、最初は運用を理解するために時間が必要なこともあります。

それでも、打ち合わせを重ねてズレを埋め、「現場がラクになって、売上につながる形」に寄せていくことには自信があります。

仕入れを“納品”で終わらせず、店が前に進むための相談相手であり続けることが、私たちの変わらない姿勢です。

業務用のご相談や、開業・仕入れ見直しの入口は、ここから確認できます。

あわせて読みたい
開業・仕入見直しをご検討の方へ 亀屋矢崎商店について 株式会社亀屋矢崎商店は、1961年創業、60年以上にわたり東京・埼玉・神奈川の業務用酒販を支えてきた東京都武蔵野市に本社を構える酒屋です。 吉...

まとめ:担当者との相性は、重視していいです。点数化すれば、迷いは判断に変わります

ここまでお伝えしてきた通り、担当者との相性は「気分の問題」ではなく、日々の仕入れを前に進めるための大切な判断材料です。

私たちも打ち合わせで、「相性って言いにくいけど、本当はそこが一番困っているんです」と打ち明けられる場面を何度も見てきました。言葉にしづらいからこそ、迷いが長引きやすいのだと思います。

ただ、やることはシンプルです。判断軸を整えて、同じ物差しで比べられる形にすれば、相性はちゃんと経営判断になります。

  • 仕入れ業者の選び方基準は、まず7項目で土台を作ります
  • 相性は感覚ではなく、運用の相性として評価できます
  • 提案力は5つの行動で点数化できます(合否ラインも作れます)
  • 比較は3社まで、試用は1カテゴリ、評価は2週間〜1か月が目安です

相性で迷うのは、真面目に店を良くしたいからです。

迷いを抱えたまま我慢を続けるより、点数化して見える化し、「どこが合っていて、どこが合っていないのか」を整理するほうが、ずっと健全です。

その迷いを、今日から“判断の材料”に変えていきましょう。

仕入れ業者選び・担当者との相性で迷ったら、私たちに相談してください

「今の仕入れ先を否定したいわけじゃないんです。」

多くの店主さんが、最初にこう切り出されます。長いお付き合いがあればあるほど、なおさら簡単に割り切れませんし、関係を壊したいわけでもありませんよね。私たちも、その気持ちが痛いほど分かります。

だからこそ、私たちは押し売りはしません。

ここでは、いきなり「切り替えましょう」という話にはしません。まずは打ち合わせの席で、今の状況を一緒に整理します。価格、配送、欠品時の動き、そして担当者の提案力ややり取りのテンポまで、感覚の部分も含めて「言葉」と「点数」に置き換え、判断基準を作るところから始めます。

実際、他社と私たちを同じ表で採点してみて、「今のまま残す部分」と「試してみる部分」を分けた店主さんもいます。

私たちも完璧ではありません。だからこそ、最初は1カテゴリだけ試して、2週間〜1か月で点数が上がるかを一緒に確認する。そんな、現場に無理のない進め方を大切にしています。

お問い合わせはこちらです。

あわせて読みたい
お問い合わせメールフォーム|株式会社亀屋矢崎商店 東京・埼玉・神奈川の業務用酒販は、洋酒の品揃え豊富な酒屋、亀屋矢崎商店におまかせください!

相性を重視していいのかという悩みを、安心して“経営の判断”に変えに来てください。私たちが、打ち合わせの席で一緒に整理します。

目次