【開業資金の悩み】飲食店は内装と厨房、どっちにお金をかけるべき?失敗しない設備・什器の優先順位

飲食店開業で内装と厨房のどちらにお金をかけるべきかを、設備・什器・ドリンク導線の優先順位から解説します。

飲食店の開業準備で、「内装と厨房、どっちにお金をかけるべきなのか」を判断するのは、とても悩ましいですよね。

図面を見ながら、客席の照明を想像する時間は楽しいです。お気に入りの椅子を並べて、お客様が笑っている景色を思い浮かべると、胸が少し熱くなります。

でもその一方で、見積書の数字を見るたびに、現実が静かに肩を叩いてきます。

「厨房設備を削っても大丈夫だろうか」

「客席が安っぽく見えたら、お客様は来てくれないのでは」

「開業資金を使い切って、運転資金が足りなくなったらどうしよう」

この不安は、とても自然なものです。むしろ、真剣にお店を続けたいと考えている方ほど、ここで迷います。

ここでは、飲食店の開業資金をどこに使うべきかを、厨房設備・内装・客席什器・ドリンク提供まわりまで含めて整理します。

結論からお伝えすると、限られた開業資金の中では、まず営業を止めない厨房・保管・洗浄設備を優先し、そのうえでお客様の記憶に残る客席づくりへ予算を配分するのがおすすめです。

ただし、「厨房に全振りしましょう」という話ではありません。

飲食店は、料理を作る場所だけでも、見た目だけでも成り立ちません。大切なのは、売上を守る設備と、選ばれる理由を作る内装・什器を分けて考えることです。

私たち亀屋矢崎商店は、1961年創業以来、様々な業種・業態のお店様とお取引させていただきながら、開業前の仕入れ、ドリンクメニュー、グラス、ビールサーバーまわりのご相談にも向き合ってきました。

営業担当が店舗へ伺い、図面やメニュー案を見ながら「この冷蔵スペースだと日本酒を増やす時に苦しくなりそうです」「この客席数ならグラスの回転を先に考えたほうがよさそうです」とお話しすることもあります。

開業前は、まだお客様が座っていない店内を見ながら判断しなければなりません。

だからこそ、開業後の営業風景をできるだけ具体的に想像して、後悔しにくい予算配分を考えていきましょう。

目次

飲食店の内装と厨房で迷ったら「営業を止めない順」に考えます

内装と厨房のどちらにお金をかけるべきか迷った時、最初に考えたいのは「どちらが目立つか」ではなく、「削った時に営業へどれだけ影響するか」です。

たとえば、壁の装飾を一部後回しにしても、お店は開けられます。椅子を少しシンプルなものにしても、座り心地が悪くなければ、お客様に大きな不満は生まれにくいです。

一方で、冷蔵庫の容量が足りない、製氷機の力が弱い、洗い場が回らない、グラスの置き場がない。こうした問題は、営業が始まってから静かに、しかし確実に現場を苦しくします。

私たちも営業担当として開業前の打ち合わせに伺う際、図面やメニュー案を見ながら「この席数で生ビールとサワーをしっかり出すなら、氷とグラスの回転は先に考えたほうがよさそうです」とお伝えすることがあります。

以前、ある小規模バルのオーナー様から「厨房は最低限で、客席の雰囲気に予算を回したい」とご相談いただいたことがありました。

ところが、提供予定のドリンクはワイン、日本酒、生ビール、ハイボールと幅広く、冷蔵スペースとグラス収納を削ると週末営業で詰まる可能性が高い内容でした。

結果として、装飾の一部を開業後に回し、冷蔵庫とグラス保管を優先されました。後日、「ピーク時にグラスと冷蔵庫で困らずに済みました」と聞いた時、私たちも本当に安心しました。

飲食店の良い時間は、厨房と客席が無理なく噛み合った時に生まれます。だからこそ、まずは営業を止めない設備から守ることが大切です。

結論:厨房は「営業の土台」、内装と什器は「お客様の記憶」にお金をかけます

開業資金の使い方で迷った時は、まず「営業を安定させるもの」と「お客様の印象に残るもの」に分けて考えると整理しやすくなります。

厨房は、お店の土台です。

冷蔵・冷凍・製氷・洗浄・換気・給排水といった設備は、普段お客様の目には入りにくい部分です。

しかし、ここが弱いと、営業中に必ず無理が出ます。冷やしたいお酒が冷えない、氷が足りない、グラスが戻らない、洗い場が詰まる。こうした小さな不便は、ピークタイムになるほど大きな負担になります。

私たちも、内装の雰囲気だけでなく、冷蔵庫の容量、グラスの保管場所、ドリンクを作る位置、樽や瓶の置き場まで確認させていただくことがあります。

以前、あるオーナー様が「客席をもう少し格好よくしたいので、厨房まわりを削れないか」と悩まれていたことがありました。

ただ、メニューには生ビール、ワイン、日本酒、サワーが並ぶ予定でしたので、私たちは「装飾は後から足せますが、冷蔵と洗浄の不足は営業中に毎日困ります」とお伝えしました。

その後、冷蔵スペースとグラス収納を優先されたことで、開業後の週末営業も大きく崩れずに回せたと聞き、私たちもほっとした事を覚えています。

一方で、内装や什器は、お客様の記憶をつくる大切な要素です。

「なんとなく落ち着く」「椅子がよくて長居したくなる」「照明がきれいで料理やお酒がおいしそうに見える」。こうした感覚は、再来店につながります。

つまり、予算配分の基本は、厨房で営業の安定を守り、客席でお店の印象を残すことです。

見た目だけでも、設備だけでも、良いお店は続きません。土台となる厨房をしっかり整えたうえで、お客様がまた来たくなる内装と什器にお金をかけることが、開業資金を活かす賢い考え方です。

開業資金の優先順位は、次のように考えると整理しやすくなります。

優先度投資する場所判断のポイント
最優先冷蔵・冷凍・製氷・洗浄・換気・給排水故障や不足が営業停止、品質低下、提供遅れにつながります
高い厨房動線・収納・グラス保管・ドリンク提供導線ピーク時のスピードとスタッフの負担に直結します
中〜高椅子・テーブル・カウンター・照明滞在時間、客単価、再来店に影響します
看板・入口・ファサード初回来店、通行客への印象に関わります
後回し可装飾小物・高級素材・細かな演出開業後に少しずつ改善できます

厨房設備にお金をかけるべき飲食店の特徴

厨房設備を優先したほうがよいのは、料理やドリンクの提供数が多く、ピークタイムに現場が一気に忙しくなるお店です。

たとえば、フードメニューが多い居酒屋、揚げ物・焼き物・煮込みなど調理工程が多いお店、ランチ営業も行うお店、テイクアウトやデリバリーを考えているお店は、厨房設備の不足がそのまま提供の遅れにつながりやすいです。

また、日本酒、ワイン、クラフトビールなど温度管理が大切なお酒を扱うお店や、グラスを多く使うバル、バー、ビア業態も注意が必要です。特に少人数で営業する小規模店ほど、厨房やドリンクまわりの少しの不便が、営業中の大きな負担になります。

私たちが営業担当として開業前の打ち合わせに伺う時、確認するのは調理機器だけではありません。冷蔵庫にドリンク在庫まで入るか、樽や瓶の置き場所は安全か、製氷機の能力は客席数に合っているか、グラスを洗って乾かし、すぐ戻せる流れになっているか。こうした“地味だけれど営業を支える部分”を、かなり大切に見ています。

以前、カウンター中心の小さなお店を開業予定の方から、「客席数が少ないので厨房は最低限で考えています」とご相談いただいたことがあります。

ところが、メニュー案を見ると、生ビール、ハイボール、ワイン、日本酒、季節のサワーまで扱う予定でした。そこで私たちは、「料理の厨房だけでなく、氷・グラス・冷蔵スペースまで含めて厨房と考えたほうが安心です」とお伝えしました。

開業前の図面では、すべてがきれいに収まって見えます。

でも営業が始まると、そこに人の動き、音、熱、湿気、焦りが加わります。追加注文が重なり、洗い場にグラスがたまり、冷蔵庫の前にスタッフが重なると、ほんの少しの動線の悪さが現場全体を苦しくします。

だからこそ、厨房設備は「置けるか」ではなく、忙しい時間に無理なく回るかで判断することが大切です。厨房は裏方に見えますが、お客様へ料理とお酒を気持ちよく届けるための、いちばん大切な支えになります。

厨房設備を優先したほうがよいお店

  • フードメニューが多い居酒屋
  • 揚げ物、焼き物、煮込みなど調理工程が多い店
  • ランチ営業も行う店
  • テイクアウトやデリバリーを考えている店
  • 日本酒、ワイン、クラフトビールなど温度管理が大切な店
  • グラスを多く使うバル、バー、ビア業態
  • 少人数で営業する小規模店

特に小さなお店ほど、厨房の少しの不便が大きな負担になります。

地味だけれど営業を支える部分

  • 冷蔵庫にドリンク在庫まで入るか
  • 樽や瓶の置き場所は安全か
  • 製氷機の能力は客席数に合っているか
  • グラスを洗って、乾かして、戻す流れが自然か
  • スタッフがすれ違える幅があるか
  • ピーク時に段ボールや空き瓶が動線をふさがないか
  • 追加仕入れをした時に一時保管できる場所があるか

開業前の図面では、すべてがきれいに見えます。でも営業が始まると、そこに人の動き、音、熱、湿気、焦りが加わります。

だからこそ、厨房設備は「置けるか」ではなく、忙しい時間に回るかで判断することが大切です。

客席側の内装・什器にお金をかけるべき飲食店の特徴

厨房設備が営業の土台だとすれば、客席側の内装や什器は、お客様の記憶に残る大切な舞台です。

特に、ワインバー、バル、ビストロ、デート利用を狙うお店、女性客や若い層を取り込みたいお店、客単価を高めに設定する和食店やレストラン、カウンターで会話を楽しむバーなどは、客席の雰囲気が売上に直結しやすいです。

滞在時間を長くして追加注文につなげたいお店や、SNS・口コミで雰囲気が伝わりやすい業態も、内装や什器の優先度は高くなります。

私たちも飲食店様と打ち合わせをする中で、繁盛しているお店ほど「客席でお酒がどう見えるか」まで丁寧に考えられていると感じます。

同じワインでも、明るすぎる照明の下で出すのと、少し落ち着いた灯りのカウンターで出すのでは、お客様の受け取り方が変わります。

日本酒のグラスが木目のカウンターに置かれた時、クラフトビールの泡がやわらかい照明に照らされた時、その一杯はただの飲み物ではなく、お店で過ごす時間の一部になります。

以前、開業前の打ち合わせで、あるオーナー様が「内装は最低限で、商品力で勝負したい」と話されていました。もちろん、お酒や料理の質はとても大切です。

ただ、想定されていた客層は、仕事帰りに少し良い時間を過ごしたい30代から40代のお客様でした。そこで私たちは、装飾を増やすのではなく、椅子の座り心地と照明だけは妥協しないほうがよいとお伝えしました。

お客様は、壁材の価格や家具のブランドを細かく見ているわけではありません。けれど、椅子に腰を下ろした時の安心感、グラスを置いた時のテーブルの安定感、隣席との距離、料理とお酒がきれいに見える明るさは、身体で感じています。

「この店、なんか落ち着く」
「もう一杯飲んでいこうかな」

その気持ちを生むのが、内装や什器の力です。

ただし、映える内装と売上につながる内装は、必ずしも同じではありません。高価な壁材より、長く座れる椅子。凝った装飾より、料理とお酒を引き立てる照明。

大きなテーブルより、グラスや皿、カトラリーが置きやすいちょうどよいサイズ。こうした選び方のほうが、お客様の満足度に直結することがあります。

内装は自己表現であると同時に、お客様への思いやりです。その視点を持つことで、限られた開業資金でも、記憶に残る客席をつくれます。

客席側の内装や什器への投資が売上に直結しやすいお店例

  • ワインバー、バル、ビストロ
  • デート利用を狙うお店
  • 女性客や若い層を取り込みたいお店
  • 客単価を高めに設定する和食店やレストラン
  • カウンターで会話を楽しむバー
  • SNSや口コミで雰囲気が伝わりやすい業態
  • 滞在時間を長くして追加注文を狙う業態

開業資金の予算配分は「削る場所」ではなく「守る場所」から決めます

開業準備では、どうしても「どこを削るか」という話になりがちです。

見積書を前にすると、内装、厨房設備、什器、備品、仕入れの初期費用まで、すべてが大きな金額に見えてきます。

でも、削る発想だけで考えてしまうと、お店の魅力まで小さくなってしまいます。大切なのは、先に「ここだけは守る」という場所を決めることです。

守るべき場所1:衛生と安全

開業資金の中で、最初に守りたいのは「衛生と安全」に関わる部分です。

冷蔵、冷凍、洗浄、換気、給排水は、お客様の目には入りにくい場所ですが、お店の信頼を静かに支えています。

  • 食材やお酒を適切な状態で保管できること
  • グラスや食器を清潔に保てること
  • スタッフが無理なく、安全に動けること

どれも当たり前のように見えますが、営業が始まると、この当たり前を毎日守り続けることがとても大切になります。

飲食店様とお話しする中で、「もう少し冷蔵スペースを広く取っておけばよかった」「洗い場が狭くて、週末はグラスが追いつかない」といった声を聞くことがあります。

特に日本酒やワイン、瓶ビールなどを扱うお店では、冷蔵庫の容量が足りないと、提供したい商品を良い状態で保てなくなってしまいます。

開業前は、客席の見た目や内装に気持ちが向きやすいものです。

でも、衛生と安全に関わる設備は、開業後に問題が出ると修正費用も大きく、営業を止めるリスクもあります。何より、オーナー様自身の精神的な負担が大きくなります。

だからこそ、冷蔵・冷凍・洗浄・換気・給排水は、削る場所ではなく、最初に守る場所として考えることが大切です。

守るべき場所2:ピーク時の提供スピード

飲食店は、落ち着いた時間に回るだけでは十分ではありません。

本当に大切なのは、金曜の夜や週末の満席時など、注文が一気に重なる時間帯に崩れないことです。

私たちが開業前に打ち合わせに伺う時、メニュー案や席数を見ながら「このドリンク構成なら氷の消費が早そうです」「この客席数で生ビール中心なら、グラスの戻りを考えておいたほうが安心です」とお話しすることがあります。

これは、商品を多く売りたいからではありません。

営業中に、氷が足りない、冷えた瓶ビールが追いつかない、洗い場にグラスがたまってドリンク提供が遅れる。そんな場面でオーナー様やスタッフの方が困る姿を、私たちも見てきたからです。

開業直後は、お客様も期待を持って来店されます。

その大切な時期に、「料理は出せるのにドリンクが遅い」「グラスが足りなくて提供できない」という状態になるのは、できるだけ避けたいところです。

ピーク時の提供スピードを守るには、厨房機器だけでなく、製氷機、冷蔵庫、グラスの数、洗い場、収納、ドリンクを作る位置まで含めて考える必要があります。

忙しい時間でも、スタッフが無理なく動けて、お客様へ気持ちよく一杯を届けられること。それが、開業後の信頼と再来店につながります。

守るべき場所3:お店らしさが伝わる客席

削ってはいけないのは、厨房設備だけではありません。

お客様が席に着いた瞬間に「この店、いいな」と感じる場所にも、きちんと予算を残すことが大切です。

カウンター中心のバルなら、手を置いた時に心地よいカウンターの質感。
和風居酒屋なら、肩の力を抜いて飲める席の落ち着き。
バーなら、ボトルが並ぶ棚や、グラスがやわらかく光る照明。

こうした部分は、料理やお酒の味と同じくらい、お客様の記憶に残ります。

私たちもお店へ伺う中で、長く愛されている飲食店様ほど、「全部を豪華にする」のではなく、「ここだけは譲らない」という軸を持っていると感じます。

あるオーナー様は、内装全体の装飾を抑える代わりに、カウンターの素材と照明に予算を残されました。開業後、その席でお客様がグラスを傾けながら「ここ、落ち着きますね」と話していると聞いた時、その判断はお店の魅力になっているのだと感じました。

全部にお金をかける必要はありません。
大切なのは、お店の世界観が一番伝わる場所を見極めることです。

お客様は、完璧なお店よりも、芯のあるお店を覚えています。
「この店らしさ」が伝わる客席は、再来店のきっかけになる大切な投資です。

よくある失敗例:内装に寄せすぎて、開業後に厨房と在庫で苦しくなる

私たちが営業担当として飲食店様とお話しする中で、開業後に聞くことが多い悩みがあります。

「見た目は理想に近づいたのですが、冷蔵庫が足りませんでした」
「グラスを増やしたいのに、置き場所がありません」
「日本酒をおすすめしたいけれど、冷蔵保管が厳しいです」
「樽の置き場をちゃんと考えていませんでした」
「忙しい時間に洗い場が詰まって、ドリンク提供が遅れます」

こうした悩みは、開業前には見えにくいものです。

ある打ち合わせで、カウンター中心の小さなバルを開業予定のオーナー様が、最初にこうおっしゃいました。

「席数は少ないので、厨房は最低限でいいと思っています。内装に寄せたいです」

その気持ちは、とてもよく分かります。
小さなお店ほど、空気感が命です。椅子も照明も、カウンターの木目も、お客様に見えるすべてがブランドになります。

ただ、メニュー案を見せていただくと、グラスワイン、クラフトビール、ハイボール、季節のサワー、日本酒も少し置きたいという構成でした。

そこで私たちは、客席の雰囲気を大切にしながらも、ドリンクの冷蔵スペースとグラスの回転だけは削らないほうがよいとお伝えしました。

結果として、装飾の一部を開業後に回し、冷蔵とグラス収納に予算を残す形になりました。

後日、そのオーナー様から「最初に冷蔵庫を小さくしなくてよかったです。週末の夜は想像以上にドリンクが出ます」と言っていただいたことがあります。

開業前の判断は、未来の自分を助ける判断です。その時は少し地味に見えても、営業が始まった時に効いてくる投資があります。

厨房設備と客席什器の優先順位チェックリスト

迷った時は、次の順番でチェックしてみてください。

1. 後から変えると高くつくものを優先します

  • 給排水
  • 換気
  • ガス
  • 電気容量
  • 冷蔵・冷凍設備
  • 厨房レイアウト
  • 食洗機や洗い場
  • 製氷機

このあたりは、後から直すと工事費が大きくなりやすいです。
場合によっては営業を止める必要もあります。

2. 営業中に毎日使うものを優先します

  • 作業台
  • 冷蔵庫
  • グラス棚
  • 食器棚
  • 製氷機
  • 食洗機
  • カウンター内の収納
  • ドリンク提供スペース

毎日使うものは、少しの不便が積み重なります。
1日では小さなストレスでも、1か月、半年、1年と続くと、現場の疲れになります。

3. お客様が長く触れるものを優先します

  • 椅子
  • テーブル
  • カウンター
  • 照明
  • メニュー表
  • グラス
  • 箸やカトラリー

お客様が直接触れるものは、お店の印象に残ります。
特に椅子は大切です。座り心地が悪いと、追加注文の前に帰りたくなってしまいます。

4. 後から足せるものは開業後に育てます

  • 装飾小物
  • 壁面ディスプレイ
  • 季節演出
  • 高価なメニューブック
  • 追加の酒器
  • 特殊なグラス
  • 観葉植物

これらは、お店を育てながら足していけます。
開業時に完璧にそろえなくても、お客様の反応を見ながら整えるほうが失敗しにくいです。

居抜き物件でも安心しすぎないことが大切です

開業資金を抑える方法として、居抜き物件はとても有力です。

前のお店の厨房設備や内装を活用できれば、初期費用を大きく抑えられる可能性があります。限られた予算で開業を目指す方にとって、心強い選択肢です。

ただし、居抜きだから安心とは限りません。特に確認したいのは、前のお店と自分のお店の業態が近いかどうかです。

たとえば、前がカフェだった物件で、揚げ物や焼き物の多い居酒屋を始める場合、換気や加熱設備が足りないことがあります。

軽食中心のお店だった物件で、日本酒やワインをしっかり扱いたい場合は、冷蔵スペースが不足するかもしれません。

ランチ中心の店舗だった場合、夜のアルコール提供に必要なグラス、ボトル、樽、炭酸、氷の置き場まで想定されていないこともあります。

私たちも「居抜きなので大きな追加費用はかからないと思っていました」とご相談いただくことがあります。

ところが、メニュー案を確認すると、生ビール、ハイボール、ワイン、日本酒まで扱う予定で、実際には冷蔵庫やグラス収納、ドリンクを作るスペースの見直しが必要になるケースもあります。

居抜き物件を見る時は、きれいに残っているかだけで判断しないことが大切です。

自分のお店のメニュー、席数、営業時間、ピーク時の注文数、扱いたいお酒の種類まで想像しながら、「この設備で本当に営業が回るか」を確認しましょう。

内装が使えそうでも、厨房やドリンク導線が合わなければ、後から費用がかかることがあります。

居抜き物件は上手に選べば大きな味方になりますが、前のお店の形に自分のお店を無理に合わせるのではなく、自分の営業スタイルに合うかを冷静に見極めることが大切です。

ドリンク提供まわりは開業前に必ず考えておきたいポイントです

飲食店の開業準備では、厨房の調理設備や客席の内装を先に考える方が多いです。

一方で、お酒やドリンク提供まわりは、「仕入れは開業直前に決めれば大丈夫」と後回しになりやすい部分です。

しかし実際には、ドリンクは売上や利益に大きく関わります。

特に生ビール、ハイボール、サワー、ワイン、日本酒などを扱うお店では、サーバーの設置場所、樽の保管場所、氷の量、冷蔵スペース、グラスの数、洗い場の回転まで含めて考えておくことが大切です。

私たちも、「ドリンクメニューはまだ仮です」と言われることがあります。ところが、詳しくお話を聞くと、生ビール、瓶ビール、ワイン、日本酒、焼酎、リキュールを使ったカクテルまで予定されていることもあります。

その場合、商品を置く場所だけでなく、冷やす場所、作る場所、洗う場所、戻す場所まで設計しておかないと、営業中に現場が苦しくなります。

以前、カウンター中心のバルを開業予定のオーナー様から、「せっかくなのでワインも日本酒もクラフト系のお酒も広く置きたい」とご相談いただいたことがありました。

そのお気持ちはとてもよく分かります。

お店への愛情があるからこそ、魅力的な選択肢を増やしたくなります。

ただ、開業直後から広げすぎると、在庫金額が大きくなり、冷蔵スペースも圧迫します。

お客様も選びにくくなり、スタッフも説明しにくくなります。そこで私たちは、まずは定番で売上を作るお酒と、お店らしさを伝えるお酒に絞ることをご提案しました。

たとえば、バルなら料理に合わせやすい泡・白・赤を軸にして、会話のきっかけになる一本を少しだけ加えます。

和風居酒屋なら、瓶ビールや焼酎などの定番を守りつつ、季節の日本酒を少量で回します。バーなら、ボトル数をただ増やすのではなく、「この店らしい一杯」を語れる構成にします。

少なく始めることは、弱さではありません。

お客様の反応を見ながら育てられる、堅実で強い始め方です。ドリンク提供まわりは、開業後の売上と現場の動きやすさを支える大切な設計です。だからこそ、開業前の段階で一度しっかり考えておくことをおすすめします。

開業前に必ず考えておきたいドリンク周りのポイント

  • 生ビールを出す場合、サーバー設置場所は適切か
  • 樽の保管場所と交換作業の動線は安全か
  • ワイン、日本酒、瓶ビールを冷やすスペースは足りるか
  • 炭酸、氷、シロップ、リキュールの置き場は決まっているか
  • グラスの種類を増やしすぎて洗い場が詰まらないか
  • 客席数に対してグラス数は足りるか
  • ドリンクメニューが多すぎて、スタッフの負担にならないか
  • 在庫金額が大きくなりすぎて、開業直後の資金を圧迫しないか

開業前に読みたい関連情報も確認しておきましょう

開業準備では、設備や什器だけでなく、仕入れ先、配送、商品提案、メニューづくりまで同時に考える必要があります。

亀屋矢崎商店では、開業準備中の方や仕入れ先の見直しを検討されている飲食店様向けに、サービス内容をまとめています。

お酒の仕入れ、商品提案、グラス・備品、開店支援について確認したい方は、こちらのページも参考にしてください。

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開業前から読んでおくと、営業開始後の不安を少し減らせます。

株式会社亀屋矢崎商店
飲食店お役立ち情報 飲食店お役立ち情報一覧ページです。

新品・中古・リース・後回しを分けると判断しやすくなります

設備や什器は、すべて新品でそろえる必要はありません。

限られた開業資金の中では、「新品で守るもの」「中古でもよいもの」「リースを検討するもの」「開業後に足すもの」に分けて考えると、判断がしやすくなります。

新品または状態のよいものを選びたい設備

まず、新品または状態のよいものを選びたいのは、冷蔵庫、冷凍庫、製氷機、食洗機、重要な加熱機器、温度管理に関わる設備です。

このあたりは、故障すると営業への影響が大きくなります。特に冷蔵・製氷まわりは、お酒の提供にも直結します。

私たちも営業担当としてお店に伺う中で、「中古の製氷機が思ったより弱く、夏場のサワーやハイボール提供が追いつかなかった」というお声を聞いたことがあります。

中古を選ぶ場合でも、保証やメンテナンス体制は必ず確認しておくと安心です。

  • 冷蔵庫
  • 冷凍庫
  • 製氷機
  • 食洗機
  • 重要な加熱機器
  • 温度管理に関わる設備

中古でも検討しやすいもの

一方で、作業台、棚、一部のテーブル、収納什器などは、中古でも状態がよければ十分に活用できます。

開業資金を抑える大きな助けになります。ただし、椅子やテーブルのようにお客様が直接触れるものは、価格だけで選ばないほうがよいです。ぐらつき、汚れ、座り心地は、思っている以上にお店の印象に影響します。

  • 作業台
  • 一部のテーブル
  • 一部の椅子
  • 収納什器

リースを検討しやすいもの

リースは、厨房機器の一部、POSレジ、一部のドリンク関連設備などで検討しやすい方法です。

初期費用を抑えられる反面、月々の支払いが続くため、開業時の負担だけでなく、数年単位の総額で見ることが大切です。

  • 厨房機器の一部
  • POSレジ
  • 一部のドリンク関連設備

開業後に足してもよいもの

そして、装飾小物、季節の演出、特殊なグラス、高価な酒器、壁面ディスプレイ、追加のメニューブックなどは、開業後に足していく選択もあります。

  • 装飾小物
  • 季節の演出
  • 特殊なグラス
  • 高価な酒器
  • 壁面ディスプレイ
  • 追加のメニューブック

お店は、開業日にすべて完成していなくても大丈夫です。

むしろ、お客様の反応を見ながら少しずつ育っていくお店には、あたたかさと強さがあります。開業時は、営業を支える設備を守り、演出は育てる。この考え方が、無理のないスタートにつながります。

小さな飲食店ほど「最初から全部やらない勇気」が必要です

開業前は、どうしても夢が膨らみます。

あのお酒も置きたい。
この椅子にしたい。
照明にもこだわりたい。
料理も幅広く出したい。
季節メニューも、限定酒も、ペアリングも試したい。

その気持ちは、私たちもとても大切だと思っています。営業担当として開業前の打ち合わせに伺うと、メニュー案や内装イメージを話すオーナー様の表情が、ふっと明るくなる瞬間があります。

その熱量があるからこそ、お店は生まれますし、お客様に伝わる魅力にもなります。

ただ、小さな飲食店ほど、最初から全部を詰め込みすぎないことも大切です。

メニュー、お酒、什器、内装を一度に広げすぎると、仕入れ金額が膨らみ、在庫管理も複雑になります。スタッフの説明も難しくなり、お客様に伝えたいお店の魅力までぼやけてしまうことがあります。

以前、開業前のバルのオーナー様から「ワインも日本酒もクラフトジンも置いて、料理とのペアリングも最初から打ち出したい」とご相談いただいたことがあります。

とても魅力的な構想でしたが、客席数や冷蔵スペース、初期在庫の負担を考えると、少し広げすぎる印象もありました。そこで私たちは、まず料理に合わせやすい定番のお酒と、お店らしさが伝わる数本に絞ることをご提案しました。

開業初月から完璧である必要はありません。

「カウンターで飲む一杯が気持ちいい」
「料理に合うお酒をきちんとすすめてくれる」
「小さいけれど落ち着く」
「グラスがきれいで、お酒がおいしく感じる」

そんな記憶がひとつでもお客様に残れば、お店は育っていきます。

最初から全部やらないことは、妥協ではありません。お客様の反応を見ながら、長く愛されるお店へ育てていくための、前向きな選択です。

まとめ:内装か厨房かではなく、未来の営業を守る順番で決めましょう

飲食店の開業資金で、内装と厨房のどちらにお金をかけるべきか迷った時は、「見た目を整える順番」ではなく、「未来の営業を守る順番」で考えることが大切です。

まず守るべきなのは、営業を止めない厨房設備です。

冷蔵、冷凍、製氷、洗浄、換気、給排水、作業動線は、後から直しにくく、営業への影響が大きい部分です。ここが弱いと、どれだけ素敵な内装にしても、ピーク時に料理やお酒の提供が乱れ、スタッフにもお客様にも負担がかかります。

次に、お客様の記憶に残る客席づくりへ予算を回します。

椅子、テーブル、カウンター、照明、グラスは、滞在時間や再来店に関わります。「なんとなく落ち着く」「もう一杯飲みたい」と感じていただける空間は、お店の大切な魅力になります。

そして、装飾や細かな演出は、開業後に少しずつ育てていく考え方で十分です。

売上やお客様の反応を見ながら足していくほうが、無駄が少なく、お店らしさも自然に磨かれていきます。

開業時にすべてを完璧にしようとするよりも、冷蔵スペース、グラスの回転、ドリンク提供の動線、そして「この店らしい」と感じてもらえる客席を丁寧に整えたお店のほうが、開業後に落ち着いて営業を育てやすいです。

内装は、お店の顔です。
厨房は、お店の心臓です。
どちらも大切です。

ただ、最初に守るべきなのは、毎日の営業を支える土台です。

その土台があるからこそ、内装の魅力も、お酒の提案も、お客様との会話も、ちゃんと花開きます。開業資金は、夢を削るためではなく、これから続いていくお店の未来を守るために使うものです。

開業前の設備・什器・お酒の仕入れで迷ったら、亀屋矢崎商店へご相談ください

開業準備は、決めることが多すぎて、不安になる日もありますよね。

図面を見ても、見積書を見ても、正解が分からない。

内装業者には内装のことを聞けても、開業後の仕入れやドリンク提供までまとめて相談できる相手が少ない。そんな時は、ひとりで抱え込まないでください。

亀屋矢崎商店では、瓶ビール、樽詰生ビール、日本酒、焼酎、ウイスキー、ワイン、リキュールなど、幅広い酒類・食品を扱い、飲食店様の業態に合わせたご提案を行っています。

ビールサーバー、ジョッキ、グラス各種の調達についてもご相談いただけます。

私たちは、ただお酒を納品するだけの存在ではありません。

開業前の不安、仕入れの迷い、メニューづくりの悩み、在庫スペースの心配まで、営業担当が一緒に考える地域のパートナーでありたいと思っています。

「この客席数なら、最初のお酒はどれくらい必要ですか」
「生ビールを入れるなら、何を準備すればいいですか」
「限られた予算でも、他店と差がつくお酒を置けますか」
「グラスや冷蔵スペースは、どこまで考えておくべきですか」

そんな段階からで大丈夫です。
まだ物件が決まる前でも、メニューが固まりきっていなくても構いません。

あなたのお店が、開業初日だけでなく、その先の半年、1年、3年と続いていくように。そして、カウンターの向こうでお客様が「また来ます」と笑ってくださるように。

開業前の設備・什器・お酒の仕入れで迷ったら、ぜひ亀屋矢崎商店へご相談ください。

私たちが、うちの会社らしい細やかさと地域密着の経験で、あなたのお店の一歩目を支えます。

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